俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


「杏?」

声をかけられて、はっとする。
華ちゃんの先の向かいに座り、心を落ち着かせた。

「………………華ちゃん。とんでもないことが起こりました」

じっ、と華の目を見て神妙に話し出す。

「はははっ。杏、捕まっちゃった?」

楽しそうに笑う華は訳知り顔だ。

「はっ、華ちゃん?何か知っていますか?」

カチャンと、机にお盆が置かれ隣に恭一が座る。
その音にビクリと体が跳ねる。
恭一の温かい手が頭を優しく撫でると、そのまま杏の頬を指で掠め取るように触れて。
目を細めて見つめてきた。

「杏さん?お待たせしました」


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