金木犀のエチュード──あなたしか見えない
「そっとしておいてやれ。腱鞘炎の痛みと練習時間半減でしょげてるアイツには、ネコ探しも人探しも気分転換になるだろ」
「でも」
「練習できない分、時間はじゅうぶんある」
「うわっ、鬼畜」
「はあ!? 体が弱いのを理由に親の送迎に頼って電車も乗れないマザコンを自立させるには丁度いいんだ」
岩舘さんの詩月くん愛に志津子とわたしは思わず吹き出してしまった。
「MHKコンクールに優勝したら電車利用は必須になるだろ。詩月のおふくろはヴァイオリン教室で詩月に構っていられないからな」
コンクール優勝前提での岩舘さん心配に絶句した。
ああ、この人は詩月くんの才能と実力を信じて微塵も疑っていないんだと思った。
詩月くんが練習時間を半減され指の痛みに耐えながら演奏しても、優勝できることを信じているんだと思った。
「でも」
「練習できない分、時間はじゅうぶんある」
「うわっ、鬼畜」
「はあ!? 体が弱いのを理由に親の送迎に頼って電車も乗れないマザコンを自立させるには丁度いいんだ」
岩舘さんの詩月くん愛に志津子とわたしは思わず吹き出してしまった。
「MHKコンクールに優勝したら電車利用は必須になるだろ。詩月のおふくろはヴァイオリン教室で詩月に構っていられないからな」
コンクール優勝前提での岩舘さん心配に絶句した。
ああ、この人は詩月くんの才能と実力を信じて微塵も疑っていないんだと思った。
詩月くんが練習時間を半減され指の痛みに耐えながら演奏しても、優勝できることを信じているんだと思った。