うっせえよ!





けっこ……ぐはっ!!」



その扉に誠司さんはぶつかって、盛大に倒れた。



「せ、誠司さん? 誠司さん!?」



身体を揺すっても、頬を叩いても、反応がない。



気を失ってしまったらしい。



……いや、大事なところ!!



プロポーズかどうかもわかんなかったよ? え?



「けっこ……ぐはっ!」って何?



人生初のプロポーズがこれ?



この人は、ホント、どこまで情けない男なんだよ……。



でも、まあ、そんな人を好きになってしまったんだから、しょうがない。



この人には私がいないとダメなんだ。



それと同時に、私にはこの人がいないとダメなんだ。



それがわかっただけで、十分すぎる幸せなんだ。




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