うっせえよ!





「ど、どうしたんですか? こんな時間に……。」



というセリフを言い終わる前に、誠司さんは荷物を持って、私の部屋に上がり込んだ。



「ちょ、ちょっと今、何時だと思ってるんですか!」



ソファーにどかっと座り、テレビの電源を点けた誠司さんは「12:42を回ったところだろ?」とロレックス・サブマリーナデイトを私に向けた。うざい。



「何しに来たんですか!」



「ああ、お茶はいいから。コーヒーがいいな。ブラックで砂糖は二個。」



人はそれをお茶と呼ぶことを知らないのだろうか、この男。




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