うっせえよ!





一瞬、表情が曇ったのを見逃さなかった。



その反応が許せない。



「誠司さん。あなたは、毎日カッターシャツを新調してますよね? つまり、今朝洗ったカッターシャツは、昨日新調したもの。間違いないですね?」



「それがなんだ?」



「つまり、この名刺をもらったのは昨晩ということになります。」



誠司さんの箸を向ける手が震えだしている。



「おかしいですねえ? 昨晩は編集長と食事してたんじゃなかったんですか? 確か、246沿いにある高級レストランで。この名刺に書いてある、『CLUB 胸☆胸キュン♪』は随分、楽しそうなレストランですねえ。」



「あ、いや、それは、いや……。」



「なんですか?」



「……ほら、あれだ。打ち合わせだ。」



うっせえよ!




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