あかすぎる、恋に。
【唄鳥side】

彩が付き合えないと答えて、頭では
分かっていたんだけど、やっぱり
受け入れることができなかった。


小さい頃から学校を休みがちだった俺は、
病院で入退院を繰り返してばっか。


そんなんで、両親の中は最悪。


唯一マシだったのは、お金があったこと。

裕福だったのか知らないけど、お金だけは
あった。

だけど小さい頃の俺は、お金じゃなくて
両親との絆みたいなものが欲しくて。



そこから少しだけど、学習した。


俺がこんなにも嫌われているのは、愛想が
悪いからだと。


友達にもろくに話したことがなかったから、
表情の作り方なんて知るはずもなく・・・。


表情が全くないことが、鏡を見てようやく
分かった。


だから高校こそは、上手くいくように笑顔を
浮かべていようと決めていた。


だけど、コミュニケーションなんか無いに
等しい俺は上手く話すこともできずに。


知らないうちに傷つけているのではないか
なんて、内心ハラハラ。







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