あかすぎる、恋に。



でも。


彩は。


そんなこと知らないように。

子供みたいに大声で大号泣していた。

綺麗な横顔の間に垣間見えるあどけなさが
臆病になっていた俺の心を開いてくれた。


一目ぼれ、ってあるんだと知った。


そこからだけど、少しずつ変わっていた。


家での自分より、学校の時の方が素直に
なれる自分がいて。

家の中でどんなに作り笑いをして、愛想笑いを
浮かべていたとしても、どんなに息苦しいものと
なっていたとしても、彩や遼真、莉雨のいる
学校はとても有意義な時間だった。


ねぇ、だから彩。

そんな悲しそうな顔をしないで。


例え君の目に映っている人が、景色が俺と
違っていたとしてもいいから。


君の隣で静かに支えているから。


影の労働者なんて名前入らない。

好きな人が笑ってくれればいい。


「ギゼンシャってか・・・・・」


きれいごとでも並べておかないと、
どうしても諦めきれない。









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