あかすぎる、恋に。
その言葉に私はハッとした。

怒る。

怒ってほしいのか?

だけど何に?
どれに?


怒って何が変わるのだろうか。

例え本当の友達だとしていても、それを
確かめるのが怒るという方法で本音を出すしか
方法がないのなら、それは悲しすぎる。


だから私はそんな悲しい方法で、
確認なんかしたくはなかった。


自分の言いたいことを言って、それを認めて、
許しあえばいいのじゃないのか?


だから、私は何も言わずに微笑んだ。

それに莉雨は戸惑いを隠せないみたい。


だけど、伝えたかった。
今それを、私が言えばいい。


「私ね、怒りたくないんだ。」

「・・・・・え?」

莉雨は目を大きく見開いて、私を凝視する。
遼真はそんな莉雨と私を、何も言わずに
見守ってくれている。


「確かに、怒るって選択肢もあると思う。
怒れば、間違いに気付けるから。」


だけどそれはあくまで、間違いをおかして
いたらの場合でしょう?





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