あかすぎる、恋に。

愛する人、愛される人

【彩side】

夕日が沈みかけて、うっすらと影をつける。
一面真っ赤な色になって、坂道が
とても幻想的な感じに仕上がっている。


「・・・・・・・・・・」

誰も何も言わない沈黙。
はたして帰りと言うのはこんなに
気まずいものだっただろうか?


「あの~・・・・さ。」

私はいたたまれず、何とかして
声を発した。

とはいえ、何も言葉が浮かんでこない。

「え~と・・・話しようよ?なんか・・・
ちょー気まずいって言うか・・・」


そう言うと遼真は思い出したように
口を開いた。

「そうだ、沢良宜さんって。」

「え!?な、何!?」

いや、莉雨。そこまで驚かなくても。
いつも通りだよ?いつも通り。





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