ange~天使が恋した王子様~
私が12歳のとき。
入院した祖母は死を悟ったのか、母はもともと身体が弱く、私を産んだ後、体力尽きて、すぐに亡くなったということを教えてくれた。
父が、そのあとを追って、その日の夜に自殺したということも。
祖母は、最期に私の手を握って、『ごめんね、そばにいてあげられなくて』そう、ひたすら謝っていた。
その頃から感情を表に出すことが苦手だったとはいえ、泣くこともなく、
ただそれを見つめていた私はひどいんだろう。