狂い咲き
上半身を起こして視線を上げる



「ただいま」



小学生のような無邪気な笑顔で微笑まれたら無視するわけにもいかなくて



「……おかえりなさい」



彼は後ろ手で扉を閉めると私の方へと歩いてきた



左頬に彼の手が触れる



途端に熱を持ったように熱くなる顔



ゆっくりと顔を近づけると、空いている方の手で私を押し倒す



彼が私の上に馬乗りになっている状態だ



漆黒の瞳と目が合うと途端に身動きが取れなくなる


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