私のいとおしい残念な男達
っかしいなぁ………
確か今日は遅くなるとか言ってたのに、てっきり残業なのかと………
普段立ち入らないあいつの輸入部に顔をだしてみた
阿部に不審者の話を聞いてから、気になって小夏の弟愁士にメールした
前もって小夏の帰りが遅くなるのがわかっている時は連絡して貰うようお願いした
【相変わらず報われないっスね、波瑠さん】
余分にそんな言葉が書き込まれていた
別に、ただ少し確認したいだけだ………
「あれっ? 黒木さんどうしたんですかぁ?こんなとこでぇ……」
部署の入り口で覗き込んでいる俺の後ろから聞き覚えのある声が掛けられた
小夏の後輩女か………
「あ、いや………残業か?」
「………はい、私はですよね。小夏先輩は先にもう退社したはずですが………」
後輩女だけか、じゃあ小夏は帰ったのか?
なんだ………と、あらかさまに目的意欲を失った顔を見せると、それを後輩女が見上げてきた
「そんなに分かりやすくガッカリしないで下さいよ。小夏先輩なら飲み会ですよ、近くの居酒屋で」
「飲み会?」
もう残業は終わりらしく、パソコンの電源を落として片付けを始めている
「ええ、私も今から合流するんです」
俺もここにいる理由もないし、後輩女と一緒にエレベーターに乗り込んだ
「どうゆう飲み会なんだ?」