私のいとおしい残念な男達
「部署内の、課長の気まぐれですよ。しかも自腹。みんな上手く逃げるのに、小夏先輩は断れなくて、おかげで私も行かなきゃいけなくなりました。まあ、時間稼ぎにちょっと残業いれましたけど………」
「ははっ……あいつらしいな、飲まされそうなのか?」
「…………」
急に黙って俺を見上げてきた
「小夏先輩が、ですよね。そんなに心配なら一緒に来ます?黒木さん」
「は…………いや、俺はいい」
エレベーターが1階ロビーについて、会社から出る前に後輩女は足を止めた
「小夏先輩最近いろいろ大変だったんですよ。部署内のデーター流出疑惑で倉庫の在庫見直しからクレーム処理とか、全部仕切ってやらされて………」
阿部言ってた事、小夏の部署だったのか
「昔っから小夏先輩に面倒くさい事押し付ける先輩がいて、それだけなら未だしも、やたら馴れ馴れしくしてきたり、しつこく飲みに誘ったり………ほとんどセクハラですよ本当に」
ん? 誘ったり?セクハラ?!
「それ、男か……?」
はぁ……っと溜め息をつく後輩女に眉を顰める
「最近じゃぁ、噂で桐生さんと別れたとか言われてるからか益々しつこくなって………」
「そいつ、今日の飲み会にいるのか?」