私のいとおしい残念な男達

「………謝んな、やっぱりムカつく女」


謝られたって、どうしようもねぇんだよ……

はぁっ……と深い溜め息をついて、寝室の扉を閉めた


「………俺、2時間くらい飯食ってくるわ」


扉越しにそう言って、とりあえず和馬の部屋に
小夏を1人にした




****





『ここ半年の間、何も変えられなかっただろ?俺も小夏も……』




和馬にそう言われて当たり前だ


友達に戻るなんて、和馬の優しい言い訳で

和馬にとって、私は必要なくなったんだ……


あの日から、どうしても恋人として振る舞う事が出来なくて、避けてきた結果でしかない


変わる事が出来なかった
今まで通りにも出来なかったから

偏見とか、そうゆう訳じゃない。寧ろそうゆう事があるからこそ和馬の過去に嫉妬したから


同性との経験のある彼が
彼の好きな人物と彼がずっと近くで過ごす事を

どうしても一緒に受け止められなかった

本当は………自分だけが特別でいたかった


私は私を見て欲しかった

優しく撫でてくれる手も、抱きしめてくれる腕も私の顔を見てからじゃなくて………

黒木みたいに、和馬からして欲しかった


和馬にとって私じゃ物足りないのかも知れない

いつの間にか、振られる事を怖がりながら
そう思いだしたら、彼に抱かれる事を拒否した



だからごめん

黒木に抱かれた事に、思いのほか罪悪感もなかった



ごめん




黒木、本当にごめん






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