私のいとおしい残念な男達
「………謝んな、やっぱりムカつく女」
謝られたって、どうしようもねぇんだよ……
はぁっ……と深い溜め息をついて、寝室の扉を閉めた
「………俺、2時間くらい飯食ってくるわ」
扉越しにそう言って、とりあえず和馬の部屋に
小夏を1人にした
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『ここ半年の間、何も変えられなかっただろ?俺も小夏も……』
和馬にそう言われて当たり前だ
友達に戻るなんて、和馬の優しい言い訳で
和馬にとって、私は必要なくなったんだ……
あの日から、どうしても恋人として振る舞う事が出来なくて、避けてきた結果でしかない
変わる事が出来なかった
今まで通りにも出来なかったから
偏見とか、そうゆう訳じゃない。寧ろそうゆう事があるからこそ和馬の過去に嫉妬したから
同性との経験のある彼が
彼の好きな人物と彼がずっと近くで過ごす事を
どうしても一緒に受け止められなかった
本当は………自分だけが特別でいたかった
私は私を見て欲しかった
優しく撫でてくれる手も、抱きしめてくれる腕も私の顔を見てからじゃなくて………
黒木みたいに、和馬からして欲しかった
和馬にとって私じゃ物足りないのかも知れない
いつの間にか、振られる事を怖がりながら
そう思いだしたら、彼に抱かれる事を拒否した
だからごめん
黒木に抱かれた事に、思いのほか罪悪感もなかった
ごめん
黒木、本当にごめん