私のいとおしい残念な男達
「これ、会社の人があんたにあげるって、いる?」
ぶっきら棒に紙袋を渡したから、眉をしかめながら受け取った弟が、中身を見るなり目を輝かせた
「うぉぉぉっ、マジやったぁァ!」
「……………」
小さくガッツポーズをしながらどうしようもない嬉しさを隠しきれないでいる
「やっぱりスゲーな大手企業は、手に入っちゃうんだなこうゆうの」
頰を上げキラキラした目でそう言って、生写真を眺めている
「………そんなに人気があるの?」
「あるよっ!俺にとって天使なんだ彼女は」
この前は人にプロポーズとか結婚とか言ってきたくせに、自分は人気アイドル好きとか……ワケわかんないこいつ
「すごく喜んでたって言っとくよ、たまたま手に入ったみたいだから」
「ああっ、ありがとうって伝えといて、これくれた人に呉々も」
「ん、」
サイン色紙と写真を並べて、すでに写メを撮っている弟
「ねぇ、日向瞳子って知ってる?」
「ん〜?誰、あー……女優の?」
意識は完全に写メを撮った携帯の中にいる弟
どこかにアップしているのか、親指が忙しく動きながら会話だけこっちに向ける
「そう、その人も人気あるの……?」
「さあ、最近たまにドラマに出てるから母さんのが良く見るんじゃない?」
ピンとこないのか、首を傾げる弟
やっぱりテレビの中の人だよね
「なんで?」
「別に、この間偶然見かけたから………」
「へぇ、スゲェじゃん。芸能人見たんだ」