私のいとおしい残念な男達

「お前も一緒にいた後輩女と同じで、男目的であの場にいたのかって聞いてんだよ」


「そんなっ違う、私は別に……」

街灯の明かりが、黒木の不機嫌な顔により影を落とす

「じゃなかったら何だよ」


「………私にだって付き合いがある、今回はモモちゃんが水野君に私を呼んでほしいって言われたから………」


「それでホイホイついて行ったのか?お前指名の合コンへ」


ホイホイって……

「黒木こそ失礼でしょっ、あんな風に乱入してくるなんてっ!大体……っ」

何の権限があって

壁のような185㎝上の黒木の顔が近づき、また強く腕を掴まれた

「痛っ………」

「あんな所でお決まりのような男揃えて、はいじゃあサヨナラで終われる訳ねぇだろ!」


「は………だって水野君だし、モモちゃんだっているから」


「和馬の知り合いの男だから、弁護士だから安全か? バカだろお前、大体男が何の目的で合コンするか分かってるのか?
彼氏が欲しい女と酒飲んで、携番交換するだけだと思うなよ」


「…………っ」

「いかにも洒落て爪磨いて、気合い入れて来ましたって見えるんだよっ、お前は喰われてぇのか」


…………なんて酷い言いようだ

もう少し言い方ってものがないんだろうか、こいつは………
意味は分かるが、いくらなんでもモモちゃんや水野君に失礼だと思う

でも

なのに、私に腹を立てて暴言を吐く黒木の言うことも何となくわかる………

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