私のいとおしい残念な男達
『小夏、何で機嫌が悪いの?』
………だって、今日は和馬の誕生日なのに、あいつ直前でドタキャンなんて、ふざけてる
『仕方ないよ、波瑠だって忙しいんだから』
…………違うよ、和馬
ここへ来る途中に見かけたんだ
最近出来た彼女と会社から逆の方へ腕組んで歩いて行くのを
親友の誕生日なのに、今日この日に3人でパーティーしようって約束したのにっ……
『俺は小夏が祝ってくれればいいよ。波瑠もきっと気を使ったんだ』
でも本当は、和馬は黒木が一緒の方が楽しいでしょ?
和馬の困った顔がゆらゆらとしている
ああ…………これは夢だ
昔あった和馬との出来事だっけぇ
『…………波瑠が好きなのは小夏だろ?
気を紛らすためにいろんな子といい加減な付き合いをしてたのだって分かってただろ?
波瑠だって我慢してたんだ』
和馬……そうじゃないよ
あいつは今だって女ったらしのままなんだから
『お前だって、酔って浮気するし他の男のキスマークつけたまま彼氏に会いに行く無神経女だろ?』
それは……
『俺を巻き込んだのはお前の方だろ? だから和馬はお前を振って、ロスへ行っちまったんだろ?』
私のせい………?
『ねぇ、協力してよ小夏さん。私と波瑠君の夢叶ったら付き合うんだから』
そんな…………そんなの知らない、そんなの
いやだ
『京都で智子とプロダクションに入るんだ、それが俺の夢だから………』
いやだいやだ
『干渉するなって言ったのはお前の方だろ?』