私のいとおしい残念な男達

「水野君とこって、弁護士事務所じゃなかった?」

確か親の事務所に勤めてるって……


「事務所は父親、CoConanは、母が代表取締役なんだ。で、いずれは兄がって……」


「…………はっ?!」


なんなの、その家族構成?!
この人超セレブじゃんっ!!


「…………私、そのパーティーに行くの?」

なんだかとっても不安なんですけど……


「大丈夫、でも、なんならこれから服買ってあげようか?まあ、前の合コンの時の服でもいいけど、時期的にストールなんか羽織って……」


「いやいや!け、結構ですっ。合コンの時の服でいいなら、ストールも自分のがあるからっ」


本当にサラリと買ってくれそうだよこの人


「そう?」

「…………」




なんだか、大変な事引き受けちゃったなぁ……




水野君の部屋に泊まったあの朝、朝食まで頂き
二人で片付け終わったキッチンで「兄に会ってほしい」と、そうお願いされた


「…………え、お兄さん?」


「そう、兄に僕の現在の恋人として会ってもらいたいんですよ」



「こ、恋人って……いや、あのそれは……」

ほのぼのとした雰囲気から、そのいきなりの展開に思わず隣にいる水野君から身体を引いた


「その、付き合うとかはやっぱり無理で……」

迷惑かけて、泊めてもらって御飯までごちそうになったけど、でも
ここはハッキリ断らないと


「ああ、もちろん君にその気がないのは分かってるから大丈夫」


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