私のいとおしい残念な男達

『君は彼女の彼でもなんでもないんでしょ?』

そう言われればそうだが、でも

「…………今ここに、もし和馬がいてもそうしてただろうと思うぜ」


『……………』


「……………」


少しの間、会話が途切れた






和馬が小夏と別れる少し前、秋山玲子が本当にパッタリと付纏わなくなった事で、和馬に水野って奴の事をなんとなく聞いたことがある

「水野?悪い奴じゃないよ、真面目だし」


「へぇ……」


「ただ……」


「ん?」


「いろいろ面倒な奴ではあるかな」


面倒な奴?
聞いていた俺は首を傾げた

「なんて言うか、トラブル慣れしていてね、弁護士なだけに、頭もいいしな」

トラブル慣れ?それがなんで面倒くさいんだ?


「要は、自分からトラブルになる所へ入りたがる癖があるって感じ?」

「トラブル好きなのか?」

その時は意味がイマイチ分からなかったが
今更なんとなく理解してきた





『わかりました。ここはもう僕が引くしかない感じですね。実際黒木君の言う通り、兄との事に関しては解決済みなんですよ、実は』


「だったらそれこそ小夏を紹介する理由はないな」



『これでも結構彼女のこと、気に入ってたんだけどなぁ………』

ボソリと呟いた奴の言葉は聞こえないフリをした


自分の部屋に酔った小夏を連れ込んでも、こいつは全く手を出さなかったんだと余計な事を考えないまま信じたいからな


『じゃあ、一つだけその貸しを返してもらえますか?』




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