私のいとおしい残念な男達
再会
         ** 阿部side **





「あの〜………阿部さん、ちょっとお話いいですか?」


周りを気にしながら18階のこの『企画宣伝広報部』所属のクリエイティブ部門に俺を名指ししてやってくる女子社員達



「出来ればゆっくりお話出来るところでお願いしたいんですけど………」

顔を赤らめ、恥じらいながら誘われて嫌な気はしない


実際、先週から何人目かのお誘いで

これは、阿部洸輔(あべこうすけ)27歳

人生初のモテ期到来かぁァァ?!
(既婚者だけど………)




「黒木さんの事なんですけど………」



「ああー………」



なんてね、んな訳ないかぁ……

今日は顔を付き合わせた3人の女の子達
もう、何度目かの『確認』の呼び出しだ


「黒木さんに彼女が出来たって本当ですか?」


はい、本当です

あれは先週のことだった
本人は平常を保ったまま言ってるつもりだと思うが、その口端は微妙に隠しきれず、上がりっぱなしだった


「何かいい事があったんですか?黒木さん」

いかにも聞いて欲しそうな素振りで機嫌よく仕事をこなす様子に、仕方なく地雷を踏んでみた


「………ああ、まあな」


「そうですか、良かったですね」


「まだ、何も言ってないぞ………」


「大体察しがつきますから」


七瀬さん絡み以外ないって事くらい

何年あなたの下に付いていると思ってるんだ


「………彼女が出来た」

パソコンを叩きながら、ポーカーフェイスでもしてるつもりなのかボソッとぶっきら棒でそう言った黒木さん
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