私のいとおしい残念な男達


「七瀬さんの友達って、総務の岬さんだけだと思ってたよ」

そう言いながらいつもの優しい笑顔を向ける桐生君

私にだって仲のいい社内の友達くらいいる
でも、少なくともこの二人みたいな要求をしてくる友達はいない

「七瀬さんのお友達はお友達ですよねぇ
実はお二人のことも色々知ってるんですよ」


その、人を惹き付ける桐生君に女子二人の声も弾む

もう私の存在そっちのけで、彼らに質問を投げ掛ける肉食女子たち


黒木さえ、ムスッとしながらもその会話の輪の中にいた


やっぱり私とお友達になりたかった訳じゃなくて、って当たり前かぁ

確かに彼らと何度も飲みに行くようになって、帰りに送ってもらったりしたけど、あくまで友達だったし、そんな雰囲気になる事もなかった


が………1オクターブ上げ、鼻にかけたような声を出す彼女らに呆れた



…………合コンかよ



コロコロふわふわ女子らしく可愛さ満載の彼女たち、普通に男子が好きな女の子の仕草をよく知ってらっしゃる

その楽しそうな席を離れトイレに立ち、なんだか戻る気もなく、そのまま会計近くにある待ち合い用のベンチに腰を降ろした


どう頑張ったって彼女たちに話を合わせる事なんて出来ない

社内の噂話しだったり、最近出来たお洒落なお店情報


それについていける彼らの話術と、情報に対する知識はすごいと思うよ


だから、楽しめない私はいない方がいいよね


「帰ろっかなぁ…………」



「七瀬さん、帰るの?」

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