私のいとおしい残念な男達

さっき見てたのはもっとすごいお尻の形がハッキリピッチリした、およそ自分に自信がないと履けない色鮮やかなスカートだったし


そう説明すると、へぇ~っともう一度いるはずのないその姿を探していた

「和馬はどっちが好き?」


「ん?」


本当に聞きたいことをなかなか言い出せず後回しにして、そのままどうでもいいような話を続ける


「ミニスカートか、ショートパンツ?」


然して興味なさそうに「う~ん」とコーヒーに口をつけている和馬


「あっ……いや、どうでもいいやそんなこと。ごめん」

折角忙しい中朝早く会っているのに、つまらない話をしたと慌てて謝ると

クッと肩を上げ笑った

「?」

「いや、さっきの質問………波瑠なら速攻でショートパンツって言いそうだなって」


ああー…………確かに


「それに、小夏もショートパンツのが似合うよな」


頭を傾け柔らかい笑顔で、そのどうでもいい話を弾ませる


「べっ、別に………黒木の好みなんて知らないから」

そもそもこんな話がしたかった訳じゃない


「あのね、和馬…………」


「小夏が聞きたいことって、常務の娘の事だろ?」

話の歯切れが悪い私に、先回りするようにそう言った和馬
幾分温度が冷めた手持ちのコーヒーを、一度クッと飲んだ


「………………うん」


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