私のいとおしい残念な男達
「……………襲えばいいじゃん」
こいつの弱った顔を見たからか、そんな蚊の鳴くような声で言われて、心臓が一瞬ドクンッと脹れ上がった
理性で抑え込んでいた訳じゃない
和馬の彼女だと、こいつは和馬が好きだからと思っていれば自然と友達でいられた
張り付いたその顔を剥がしながら、身体を屈め、その顔の頬に触れ唇を押し当てた
閉じられた唇を舌でこじ開けると、躊躇なく小夏の方から絡ませてくる
「はぁ……………っん」
深いキスをしながら肩にかかる小夏の上着を脱がし、ブラウスのボタンに手を掛けると
俺のネクタイが、伸びてきた彼女の手でほどかれる
お互いの服を脱がし合い、小夏をベッドに組敷いた
トロンと潤ませた瞳を見下げて、もう一度唇に触れるだけのキスをすると、もう停める理性すら残っていない
そのままその白い首筋に顔を埋めた
最近飲み会で誘われ、そいつの一人暮らしの部屋へ誘われ、応じた後に付き合ってほしいと言われOKしたんだった………
だから、シタきゃいつだって出来る
なにもわざわざ親友の彼女に手を出すほど困ってない
なのにこいつは
普段俺に対して全く可愛いげのない態度をとる癖に
頭まで響くような声で鳴きやがって
「七瀬…………っ」
耳元で囁くと、ふるふると頭を振った
身体を這う俺の手を払い除けることなく、腰を捩りながら最高潮の声をあげる
七瀬……まだ酔ったままなのか?
吐ききれない息で、桜色に染まった小夏の白い肌が絡み付いてくるのを、ゆっくりと包み込み彼女の頬に手を添え、溜まった涙を拭う
「……こなつ………小夏、もう泣くな」