俺様上司に、永遠の愛を誓え

「なんか、それってわざとだとか…」

「わざと…?」

「……いっしょに行きたくなくて、朝から忙しくしてるんじゃないの、部長」

「そんなこと……」言うけれど、否定はしきれなかった。


「だって、ふたりで仲良く出勤なんて、あの部長には想像できないし」

笑う恵利に、(そうなのかな…)と、思う。

「……まぁ、朝はいっしょに行かなくても、夜はしっかり帰ってくるんでしょ?」

「うん……」と、うなづく。


「だったら、いいじゃん。……だいたい部長は、もともと忙しいんだしさ。毎日いっしょにいられるだけでも、いいと思わないと」

「うん……」答えて、でも今日だって帰りは遅くなるって言ってたし、

あんまり、ふたりでいっしょにいる実感がないようにも思えていた。


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