俺様上司に、永遠の愛を誓え

2


「ずるいです…こんなの……」


「ずるい…何が?」


抱かれた腕の中で、顔を見上げた。


「やさしいのなんか、ずるい…」

「だから、なんでずるいんだよ…」


部長の胸に顔をうずめて、抱きついた。

「……私にだけ、やさしいところを見せてくれるの、うれしいとも思ったけど……」

また涙が出てきて、手の平で拭う。


「だけど……それじゃ、部長のやさしさなんて、誰も知らないままで……」

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