俺様上司に、永遠の愛を誓え

「私にばかり、振られると……」

次から次へと、自分ひとりに仕事を与えてくる松岡部長に、社内がざわつき始めていた。

「……他にも、社員の方はたくさんいらっしゃいますし、それに……みんな不審がってますから……」

「うん……?」と、松岡部長が周りを見回すと、みんなが目を伏せたり、パソコン画面をわざとらしく覗いたりした。

「いいだろう…別に。俺は、あんたにやってもらいたいんだから」

言う松岡部長に息を吐いて、

「これは、やりますけど……でも、仕事は均等に振ってもらわないと、困りますから……」

話すと、

「なんだよ…つれないじゃん、北城さん?」

と、軽い笑いを浮かべた。

「だから、そういう言い方とかは、やめてほしいんですけど……」

松岡部長は私には答えずに、ただニヤニヤと笑った。


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