俺様上司に、永遠の愛を誓え

2


「…なんか、松岡部長、急におとなしくなったね…?」

恵利が、チラリと私を見る。

「……なんかあった? また…」

「ない…なんにも……」

とだけ、応える。


「ホントに…? 絶対になんかあったと思うんだけど……」

「部長となら、あったよ…」

と、話題をそらすように言って、恵利に笑いかける。


「え…何があったの? 部長と……」

「こないだちょっとだけ、帰ってきてくれた…」

「ちょっとだけって…えっ、待って…あの距離を?」


「うん…」と、うなづくと、

「ウソでしょー!」

恵利が大きな声を上げて、視線が一斉に集まった。


< 85 / 157 >

この作品をシェア

pagetop