哭く花
制服を手にして内側からドアと鍵を締める。

クローゼットの明かりは薄暗くて、私に掛けられた様々な言葉を反芻させる。

会わせたい人。

ご両親?兄弟?

──恋人?

もやもやとした思いが巡るうちに、

ドアの外から先生の声が聞こえた。

私は急いでスカートのホックを留めると、

先生の声に応え、ドアを開けた。

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