イケメン 一家に囲まれて
思いもよらなかった、この二人はお金持ち。
「お弁当?」
「聞いたか?」
二人は目を輝かせ、私の両腕を捕まえた。
「それを譲れ‼︎」
「まって僕に譲ってよ!」
くそっ‼︎
バカにされるより傷ついたかも。
お弁当を食べたことがないんだこいつら。
ピクニックにも行ったことなさそうだもん。
てか、お弁当なくなったら私のお昼ご飯なくなっちゃう‼︎
「私の昼食が無くなってしまうので」
「そんなのどうでもいいことだよ」
「そうだ」
なんて奴らだ、自分勝手すぎるでしょ?
この人達は御曹司…高級食材しか食べたことないはず。
私が使っているのはスーパーで買ってきた安いお肉や卵。
きっと気に入らないはず‼︎
「私の使った食材安物ですよ?」
「弁当というものな、安くて美味しいみたいなことを聞いたぞ?」
「戸村、お弁当より食堂の温かいご飯を食べろうるさいんだ」