金髪少女
自分でも辛いなんて言葉を口にするなんて思ってもみなかった


でも、もう二度母さんとは離れ離れにはなりたくない


行かないようにと必死だった


そんな俺の思いとは裏腹に母さんは




母さん「ごめん...本当にごめん


私には見て見ぬ振りしかできなかったのよ...


あんな狂ったあの人を止めるなんて、出来なかった


前の優しいあの人はもういなくて、耳を塞ぐことしかできなかった...


私は弱かったの、ただそれだけなの...


だから、こんな最低な母親すぐに忘れなさい、これは私からの最初で最後のお願いよ


いくらあなたの母さんでも私は最低な母親なの


あなたが良くても私は顔を合わせられないのよ」


そう言って立ち去ろうとしていた


「待てよ、母さん」


大声で叫んでも叫んでも母さんが振り向くことはなかった


最後まで前を向いてくれなかった


でも、今思えば母さんからの願いはこの言葉だけだった


「バイバイ...


母さん」


俺の乾いた声だけが静かに残っていた


川北誠side end
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