まじめっ娘とイケメンくんの恋


「お待たせしました
カシスオレンジとビールでございます」


謙太さん用のビールも一緒に届いた。


「何の記念日か知ら無いけど
乾杯!おめでとう」


おめでとう・・・
当の本人におめでとうなんて言われて
切なくなるあたし。


「で?なんの記念日?」


「もぉ~しつこいな・・・」


「誕生日なのか?あやっぺ」


「ブブーハズレ」


「じゃあなんだよ」


「当ててみて」


「知るかよ!もういいわ
聞くのやめためんどくさい
何かわかんないけどおめでとう」


またいわれたおめでとうって・・・。


あたしはカシスオレンジを
一気に飲み干した。


「ねぇ・・・夕陽さん?
綺麗な人だったね」


「だろ?オレが選んだだけあるわな」


だろ・・・
またこの言葉にショックを受ける。


「ちゃんと捕まえておかないから
他の人に誘われたりするのよ・・・」


「オレに説教すんのか?」


「そうでした・・・ごめんなさい」


「もう夕陽の話はすんな」


「ですね・・・余計なお世話でした
なんかヤバい・・・頭がグルグルしてて
謙太さんが二人いるように見えてくる」


「お前酔ってんのか?
一気に飲むからだよ」


「酔ってません・・・よ
夕陽さんと・・・復縁したんでしょ・・・?
こんなところに居て大丈夫ですかぁ〜?」


「だ・か・ら!
夕陽とは」


この時点であたしの記憶は無くなっていた。






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