徒花と蝶




「で?」
「え?」
「どうしたんだよ」



対面して座る祐輔に、そう問いかけられる。

私は可愛らしくないラテなのに、彼は可愛いフラペチーノを飲んでいる。
普通は逆だなと思いながらも、彼は真剣に私に問いかけていて。

いきなり『どうしたの』と言われても、と思うのが普通だ。

すると、私の思考が読めているのか、



「お前の行動パターンは読めてるって」



苦笑いしながら言う祐輔に、私はただ俯くしかできなかった。


……私を甘やかすことはやめてほしい。

だってあなたは、私の傍にはいてくれないでしょう?


けれどそんな強がりも言えないぐらいに私は、…弱っていた。
それを見破られることが怖かった。



「…そんな、大したものじゃないよ」
「大したものじゃないかは分からないだろう?」
「ただ…社会に揉まれてるって言うだけよ」



そう。
思えば大学に入学してから私の人生は狂っていた。



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