水底の鳥籠
蒼く澄んだ海に浮かぶ小さな島の表紙に、パワースポットの穴場と言う文字が躍る。


十夜の視線に気付いた水兎が不思議そうな顔をする。


「水守島?何、黒羽さん島に行きたいわけ?」

「……いや、少し気になっただけだ」

「それを世間一般では行きたいって言うんじゃないの?まあ、オレはどこでもいいよ。黒羽さんと出かけられるなら」


ニッコリと微笑む。十夜はそれを無視し、雑誌を手に取りパラパラと頁をめくる。


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