女子高生が白狐の許嫁!?
・・・

午前9時。

李斗たちは、綾乃坂軍の"シマ"である

武蔵村に着いた。

カラフルなスプレーで 綾乃坂 の文字が書かれた

大きな南京錠のかかった倉庫、

ぼろぼろに壊されたフェンスには、

一輪のバラが咲いている。

周りには倉庫以外に建物はなく、ただただ

枯れ果てた草木が広がっている。

不気味な雰囲気を醸し出す武蔵村。

だが、そんなことを李斗たちは気にもとめない。

倉庫から聞こえる気味の悪い男達の

笑い声の方へと李斗たちは足を進める。

その時だった。

李斗たちのの目の前に10人以上の男達・・・



いや、10匹以上の・・・白虎が現れた。


「・・・音春はどこだ。

音春の居場所を教えろ。」

李斗は瞬きもせずに問いかける。


「・・・くっ。自分で探しな、兄ちゃん。」

そういうと一斉に虎達が李斗に襲いかかる。

「・・・斬滅(ざんめつ)。」

低く、冷酷な声が響き渡る。

すると、白い毛並みの龍が空中を駆け抜け、

目にも見えぬ早さで回転しながら

虎に向かって突進する。

刹那、目の前の敵は一気に消え去った。
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