笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
だからいつも笑顔なんだ。
じゃあ今まで奏は、苦しむたびに、悲しむたびに“笑顔”を浮かべてきたということなのか。
そうだ、そういうことだ。
広がっていく私の思考と共に、奏の笑顔がどんどん苦しく見えてきて。
いてもたっても、いられなくなった。
思わず立ち上がって、奏を見る。
机に前のめりになって、紅茶のカップが揺れた。
驚いた様子の奏と、目が合う。
「奏っ…私たちの、本当の幸せ…どうやったら探せる?」
――それは、私が奏に問った言葉。