笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


小さく頷いた私に、奏は笑う。


「この場所は、俺たちだけの秘密だ」


――そう、耳元で囁いた。


お父さん、お母さん、りぃ。


担任や、他の先生たち。


私は少し、悪い子になったかもしれない。


ごめんなさい。


だけど、好きな私になれるまで。


好きなように、生きてみるよ。

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