笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


俺の背後から、誰かの声がかかる。


俺はその声に反応して、後ろを振り返った。


そこにはいかにもやんちゃそうな男子生徒が数人固まって、俺をサッカーに誘っていた。


全く話したことのなかったヤツにいきなり話しかけられたのは、きっとサッカーの人数合わせのためだろう。


サッカーは、別に、嫌いじゃない。


身体を動かすのも気持ちいいと思う。


でも。


「いや、俺はいい」

< 249 / 463 >

この作品をシェア

pagetop