笑顔を持たない少女と涙を持たない少年


俺の頭の中で、ぐちゃぐちゃといろいろな糸が絡まる。


もし彩菜がいわゆる“不思議体質”だとして、だからこの部屋に入ることができたとすれば。


彩菜が俺をここに連れてきたということは、最初から俺が“不思議体質”だと彩菜は分かっていたということか?


じゃあ――


俺が泣けないということも、分かっていたのか?


それで彩菜はここに俺を連れてきたのか?


< 304 / 463 >

この作品をシェア

pagetop