笑顔を持たない少女と涙を持たない少年
「この場所は、まぁ見ての通りパステルカラーの家具と芝生、そして木が植えられてるっていう不思議な空間なんだけど」
奏の言葉が続いて、私は顔を上げる。
私の目に映った奏は、この空間を見渡していて。
不意に見せた横顔が、とても綺麗だということに気がついた。
長く伸びたまつげに、シュッと通った鼻筋。
細い髪の毛に隠れ気味の眉は、優しい笑顔にピッタリとマッチする緩やかな曲線を描いている。
ほんのりと薄いピンク色の色素がツヤツヤと光る唇は、女の私から見ても羨ましくなるくらいに形が整っていた。