ホワイト・ライ―本当のこと、言っていい?
尚人くんが落ち込んでいると言っていたシゲは、遠くで見ている限り特にそんな風にも見えなかった。


でもお互いに慎重に避けあっていることは確かで、たぶん私の方が気にしてないよって顔をするべきなんだろうと思う。


シゲは私がキスされたことに傷ついたと思ってるんだよね。それにしてもあんなに泣くなんてなんだよとビビってるのかな。


純と何百回もしてるはずなのにね、あんなこと。自分で告白しといてキスしたら泣くとか、わけわかんないんだろうね。


そう考えたら、少しだけ笑えた。


シゲに気を遣わせないで、嘘にもならないような言い訳があればいいのに。でもそんなの思いつかなくて、なんとなく気まずさが消えるまでこのまま夏休みを過ごすしかないか。





壁塗りを手伝ったせいで今日やるつもりだった入力が終わってなくて、なんとなく居残って遅くまでキーボードを叩いていた。


あれ、どこかで私のスマホが鳴っている。電話?


「鳴ってるよ!結衣ちゃんじゃない?」


入り口の方から呼ばれて、置きっぱなしにしてたのを思い出し慌てて取りにいく。
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