サプライズ★フィナーレ
長い長いkissの狭間にふと目を開き、真上にある翔の閉じられた瞼をぼんやり見上げると、急に愛しさが込み上げ、なぜだか泣きたくなる。
……翔とkissしてる。

家族ではない、恋人とするような甘くほろ苦いkissを……。

翔の唇から放たれる、甘くも切ない陶酔感……
これほどまでにkissで感じるなんて初めて。

翔との……好きな人とのkissでしか、きっと味わうことの出来ない……
もしかしたら一生、私は味わえない……
そう覚悟もしていたkissを今、翔からもらっている。

そう思った瞬間、涙の粒が零れ落ちた。

嬉しくて胸が、パンパンに膨らんでいるように感じて、それは次々と目尻から流れ落ちて行く。

今夜が、翔との最初で最後の甘いkissでいい……
生涯最後のkissでもいい。

だから今は今だけは、この唇の甘さだけに酔いしれていたい。

過ちの泉に浸りきり、翔だけを感じさせてほしい。

今は……今だけは______。
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