サプライズ★フィナーレ✿修正中✿
 怒りやら情けないやら嫉妬やら……疲れた。胸と両手を震わせながら一生懸命こらえていた涙が、呆気なく崩壊すると同時に爽やかな香りに優しく包まれた。

「ごめん……」

 翔は、涙ポロポロ流しながらも睨み付け、怒りをぶつけた私に素直に謝る。けど私の怒りと悲しみは少しも収まらない。

 どうせ男なんだからしょうがないとか、この俺が、二十七で経験なしなんて有り得ないとか、開き直るんでしょ? それなのに振りほどけない私って……。嬉しかったのに……。本当に本当に本当に嬉しくて堪らなかったのに……。
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