サプライズ★フィナーレ
「まだ辛いか……何か飲む?」


「……大丈夫、大したことない」


体の痛みなんてすぐに癒える。

でも翔を無くしたら……
考えるだけで身震いがして、涙が滴り落ちるのを止められない。


「とか言って泣いてやがる。病気の時くらい思いっ切り甘えろ。泣きたい時は、俺んとこで泣けって言っただろ。最近のエリは、やっと少しずつ甘えてくれるようになったのに……」


「まだ可愛くない? もっと甘え上手になれたら、もっともっと好きになってくれる? ずっとずっとそばにいてくれる?」


翔は、自分の左肩に頬当てながら微弱な声で話す私の頬を両手で包み込み、コツンとオデコとオデコをくっ付けてフッと笑った。


「なんだよ? 拍子抜けするくらい素直じゃん。……ごめん、無理に甘える必要はない。ただ俺の前では素直でいろ。嬉しい時は、思いきり喜べ。腹立ったら思いきり怒れ。泣きたい時は、思いっきり泣け。だいたい短気な俺が、ずっとMAXで惚れてんのに、まだ足んねえって? お前欲張りになったな。でもそれでいい。欲張りな女は、自分を幸せにしようってパワーが溢れてる。俺は、エリに幸せになってほしい。…… いや、俺が幸せにしたい。ずっとずっとエリのそばにいて、誰よりもエリを幸せにする。どんなエリでも受け止めてやるから心配するな」
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