サプライズ★フィナーレ
その後、私の人生史上最も長い五日間を経て、やっと翔の帰国日がやって来た。

早く会って謝って、仲直りしたい。


それだけを願い過ごした五日間……
やっと一時間後の十九時に到着というのに、今になって私は、どう話せばいいのかわからないことに気付いた。

きっと今回は、ただ謝るだけじゃ駄目。
なんて言えば、翔の機嫌直せる?

こんな時、翼に相談出来たら……。

翼は、昨日の夜に帰国してるはず。
でも今は、会い辛い。

ピンクのシルクパジャマのまま、一日中ベッドでふて寝してる場合じゃなかった。

どうしよう……?

もういっそのこと、後先何も考えず婚姻届け叩き付ける? なんて安易なこと出来ないし。
グダグタしてる間に、気が付けば到着時刻。
空港には、とても間に合わない。

さすがに今夜は、自宅に戻るよね?
マンションで待とう。

そう決めて立ち上がった時、ドアからノック音が聞こえてきた。

お父さん? 返事をすると、一呼吸おいてドアが開いた。

……翔輝君!? 合鍵持ってたの?

白いVネックTシャツにインディゴブルージーンズ姿で、それは翔の好きなブランドのヴィンテージ物。

珍しい……彼が、こんなラフな格好……え!?


「翔?」


「……お前は、たった五日で、俺らの見分けもつかねーのか?」


翔は、さも不機嫌そうに両腕を組み、私をジロッと見た。


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