サプライズ★フィナーレ
この後は、翔輝君が夕食の準備をしてくれた。


「美味しかった。ご馳走さま」


ダイニングで、二人きりの夕食にも慣れてきた。
翔輝君は、食欲のない私の為に大好物の焼そばと野菜スープを作ってくれたけど、半分でお腹いっぱい。


「これから夏本番なのに、すぐ夏バテしちゃうよ。だいぶ痩せたし、またモグラ生活リターンかと思った。……翔を待ってるの?」


翔輝君は、来る度に翔の名を出す。
ただでさえソックリで、嫌でも思い出さずにいられないのに。
ずっと我慢していたけれど、今夜はスルーできず完全に顔に出てしまう。
彼は、そんな私に苦笑い。


「どうしたら、俺を見てくれる?」


「……」


「やっぱり翔だけ?」


少なくとも、今はそう。
でもそれだけじゃない。
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