サプライズ★フィナーレ
するとすぐ隣に腰掛け、引き寄せてくれる翔輝君。

……あったかい。

このまま甘えられたら……
甘えてしまえば楽になれる?

私さえ一歩踏み出せば、何かが変わる?

彼の体温を感じる度に、いつか心の色も変わっていくの?

最近ずっと、翔輝君も香水付けてない。

見分けるのに、一番役立っていたのに。


「……もう大丈夫、ごめんね」


彼から体を離すと、悲しみに彩られた瞳で見下ろされる。

……翔が、傷付いてるみたいで、また私も一粒……!?


「……本当に大丈夫。……は、話は?」


び、びっくりした!

もう少しでkissされそうだった。

彼の唇が、この唇に十センチほどまで近付いた。

とっさに身を引き気まずい中チラ見すると、なんとなくホッとしてるようにもみえる。

でも私は、ドキドキが止まらない。


「……撮影終わった日に、帰る予定だよね?」


「あ、うん」


開園前の撮影だから、前日泊するけどね。

タウン内にあるホテルで、今の時期はバラ園が一望出来るらしくて楽しみ。

是非、行ってみたかったの。


「あのさ……」


「ん?」


「…………もう一泊しない? ……二人で」


「……」


それ……二人で同室?

……そ、その心は……?
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