サプライズ★フィナーレ
「偉いぞ愛翔、お利口さんだ」


「愛翔カッコイイ。ちゃんとお約束は、守ろうね。愛翔梨おいで」


翔の腕から離れた娘は、一目散に私の膝に跨がって、私に抱き付いてきた。

そんな妹の満足気な姿をすぐ横で見ている兄は、あの頃の翔そのもの。

翔は、そんな愛翔をひょいと持ち上げ、軽々と肩車した。


「ママのお膝もいいけど、パパの肩車はもっといいだろ」


「うん! ……でもママだいすき」


「ママも愛翔だ~いすき。愛翔梨もだ~いすき」


「あかりもママだ~いすき」


まだまだすっぽり腕の中に収まる、もうすぐ二歳の娘をキュッと抱き締めると、翔と同じ二重の美しい瞳で天使の笑顔を見せてくれた。

……いつかこの純真無垢な笑顔は、世界中の誰より愛しい人を前にして、今以上に光輝くのだろう。


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