悪役秘書は、シンデレラの夢を見る!?


同じ気持ちなのに、言葉で表現できない。
自分の気持ちを上手く表現できない。

鏡の前に立って、自分の似合うコスメや髪形、肌の状況に合わせて手入れだってできる。目に見えてさえいれば、どんなことだってできる。

目に見えないからこそ相手に伝わらないからこそ、難しい。

仕事の取引みたいに、わかりやすく自分の売りを相手に伝えるべきなのだろうか?

頭で考えても、もう分からない。どんな顔で巧に会うべきだろうか。


ぐるぐると答えが出ないまま朝が来て、昨日と見た目は何一つ変わらないまま出社する。
心の中は大荒れ、雨、嵐。
それを悟られたくなくて、胸を張って堂々と歩く自分が情けないけれど嫌いではなかった。

「おはようございます」
「おはようございますっ」

廊下を擦れ違うとき、私より年下だろう男性社員に二人に挨拶され、微笑む。
「おはようございます」

自分のペースに戻したくて。

少し離れてから、こそこそと何か話し出した。
「うっわ。やっぱ英田秘書、美人だな」
「オーラがゴージャスだよなあ」


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