龍瞳ーその瞳に映るもの
「サユリ」

低い声で呼ばれなによ、と弱々しい声で答えるサユリはまだ不満そうに頬を膨らませた。

「不満か」

顔には不満と書いてある。

「不満」

今さら誤魔化しようもない。

「なるほどな」

女かと見間違えるほど手入れされた髪を
ハラリとなびかせ壁にもたれていた体を
起こした。

「ちょっと、付き合ってくれ」

サユリの肩をポンと叩き部屋を出て行く。

それを断る理由はない。
心配そうにサユリを見守るロデオの肩を
今度は俺が叩いた。

掟は掟だとしても、
それは最終手段なだけで
アズを始めにこの中の誰もそんな事を
望んじゃいない。
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