龍瞳ーその瞳に映るもの
「え、なに、そんなノリノリ?
え、てか1万でいいの?ラッキー」

浮かれる男の人に静かにしてと
指で口を押さえた。

気づかれないうちにホテルに逃げ込もう。

ここは、夜の街。
夜に蠢くもの達が集まる街。
人間の欲を全て叶える事ができる街。

ピンク色に光るネオンに足早に向かう。

この人は命は奪わないだろう。
殺されるよりマシだとはいえ
いそいそとタッチパネルの前で
部屋を物色する横顔に何とかうまく
逃げ出さなきゃと決意する。

「きーめたっ。これにしよ」

男の人が指差したそこには
電車の中を再現した部屋の写真。

「ち、か、ん、ごっ、こ」

幼児コドバもどきに吐き気が起こるけど
今、騒がれたら見つかってしまう。

我慢、我慢と笑みを返した。
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